日記 : デカ門をくぐらなくてはいけなかったのに!

デカ門をくぐらなくてはいけなかったのに!

私はデカ学びに通うデカ学び者なので、毎日デカ学びのデカ門をくぐっています。

今日も寝坊ののち二度寝をキメて、流石に2限も遅刻するのはまずいなあと思って家を出て、道で遭遇した猫ちゃんと「逃走者と追跡者ごっこ*1を楽しんでから、遅刻を確信しながらデカ電車*2に乗りました。

デカ電車に揺られて辿り着いたデカ都市のデカ駅で乗り換えます。地下鉄から地上の路線に乗り換えたことで霊エネルギーを得ました。こうして霊の位階をデカいものにすることができます。 デカ学びに最も近い駅(その駅は、すべての駅の中で最も相対的にデカ学びと近いというわけではなく、事実として絶対的に最も近い!です)で降りるとすぐ目の前にデカ門がありました。

多くの場合そこには現代風の門番さんが立っていて、何らかの確率で挨拶を得ることができます。友好的です。 しかし門番は門番であって、侵入者たる私が侵入に値するかどうかを厳正にチェックしており、 またデカ門のあまりの大きさに小さく圧倒され、私は少しデカ門の前で休みたい気分でした。

駅からデカ門までの区間には進行方向右手に立てられ看板が多く並んでいるので、ここで私が擬態して立っていても恐らくだれも気づかないだろうと思いました。そこで、私は自分の足先をデカ門の方向から、ちょっとだけ、ほんの15°くらい右にずらしてから直進しました。別にきっちり15°にしたかったわけではないというか、寧ろ、こんなに角度を変えるつもりはありませんでした。 後ろを歩いている正しき人間から「あなた、足先がデカ門の方からややズレているように見受けられますよ?」と指摘されたら、「ああ!失礼いたしました!どうやら脚の制御を少しばかり誤ってしまったようで、このような角度になっているのですよ!ははっ!」と返事ができる程度の、軽微な変化に留めるつもりでした。

しかしこれが無意識の為せる業なのか!もはや言い訳はできなかったので、とりあえず立てられ看板らの列に向かいました。 するとその背後にデカ門と比べるのもおこがましい小さな通路を見つけました。 見つけたという表現は実は適切ではありません。私はその存在を普段から認識しており、気にかけていたのですから。 ただ今の状況からすれば「見つけた」という以上に適切な表現はないでしょう。 私は、さもこちらに進むつもりで足先の向きを変えたのだと言わんばかりの堂々たる歩調でその通路へと侵入しました。

そこはデカ学びに通じるものとしてはかなり細いものの安心感とはまさにこの通路のために存在しているようだと思いました。 左手には名前のわからない草木!そこに存在していることだけがわかります。 花を魅せるために意図された空間のものと比べればそれほど元気でみずみずしく芳醇な香りと躍動する生命のダイナミクスを放っているというわけではありませんでしたが、これくらいが丁度いいと思いました。 さて右手にはフェンスに囲まれた「動きまくり場」がありましたがよく見てみると、手前に机が置いてあり、そこに植物の苗を育てるポットがソーシャルディスタンスを保ちつつ点々と並んでいます。 私の通うデカ学びは……地下ホールで多くの人間がおしくらまんじゅうを開催していたり、かょんとしでは本が圧死していたり、とにかくどこもかしこも役者稠密なので、このような場所の存在には驚嘆せざるを得ませんでした。 ポットが主張するゆとりと自由が、私の心を少し軽くしたようです。

さて通路を進むと少しデカ学びから離れる方向に道がぐねっとしています。 ひょっとしたらこの路はデカ学びに繋がっていないかもしれない。一瞬そのような考えが頭をよぎりましたが、ポットは「離れる」ことも私に教えていたのでしょうか、気にすることはないと思い直し、足取り軽く、破壊されたベンチ、毀ち散らされの様々な品、草木、花々などと愛の挨拶を交わしながら歩きました。

気づけば全年次活動センター横に出ていました。驚くべきことに!ここまで私は一回も門(大小問わず!)とくぐることなく、デカ学びへの侵入を果たしたのです。 今や私は招かれざる侵入者なので、当然講義に出る必要もありません。 全年次活動センターの向かいには嘘の公園があります。 そこにはちょうどベンチがあるので、一休みしようと思いました。 秋空を眺めようと思いましたが木々が邪魔で殆ど見えません。 しかし鳥が鳴きまくっています。風流というにはやや度を越している気もしますが、風流などというのはそもそも私ではない誰かが勝手に作り出したものに過ぎないので、今この瞬間を好ましいものとして特別に切り取っても何ら問題はありません。 ただ、これを書いているパソンココに糞が落ちてこないことだけを祈っています。

午後は講義に出ようかしら。でも神保町でブックフェスをやっているらしいので、そっちに行ってもいいですね。

嘘公園のベンチより。

*1:私が逃走者で猫ちゃんが追跡者です。外から見ると私が猫ちゃんを追いかけていますが、そうではなく、実際、物理的な実現の方が現実を反映できていないのです。

*2:デカ都市に於いては電車が10両くらい連なっていて、でかい、です。