体験記 : アドバンスト理科

おっはにゃー!💞💞*1
くりーむです。

この記事ではアドバンスト理科の中でも、私が受講した、情報α、構造化学α、先進科学Ⅱα、の様子や感想などを綴ります。
思い浮かぶままに書き連ねていくのでやや読みにくいと思いますが、寛大な心で許していただけると嬉しいです💞。

注意
1. この体験記は2022年度に私が受講したときの経験をもとに書いています。何か誤解していたり、記憶の齟齬があったりする場合がありますので、正確性についてはご容赦ください。信用できるかできないかわからない出所不明の口コミ程度に考えていただくと良いかと思います。

2. 1に加えて、もし皆さんが受講する場合、私のときとは勝手が変わっている可能性が十分にあります。ちゃんと制度を調べたり、先生の話を聞いたりすると良いと思います。

3. アドバンスト理科の「研究入門」については一切言及しません(制度を殆ど知らないし、受講してもいないので!)。 これについては、公式サイトや後に言及するますれーさんによる記事を参照すると良いと思います。

4. 選抜課題については特に言及しません。私はかなりいい加減な *2課題を出しているためです。


以下で記事中で用いる用語を説明します。

  • Sセメスター ... 春学期のこと 4月〜7月

  • Aセメスター ... 秋学期のこと 10月〜1月

  • 基礎科目 ... 情報α、構造化学αが属するグループ

  • 総合科目 ... 先進科学Ⅰ, Ⅱ, Ⅲ, Ⅳαが属するグループ


目次



概要説明 : アドバンスト理科ってなんだ!

アドバンスト理科ってなんでしょうか??!???!?!?!(鳩尾震わせる絶叫、絶叫 ← 絶望ではない)

アドバンスト理科は2019年度からほにゃ大学の前期にゃん学部で開講されている、科学に関する発展的な内容を扱う授業群 *3 です。

詳しい説明は公式ウェブサイトに譲ります。

kis.c.u-tokyo.ac.jp

アドバンスト理科(特にその制度)について、ちゃんと知りたい場合はこのサイトやアドバンスト理科のフライヤーを参照しましょう。

また、私のブログよりも丁寧に書かれている体験記としてますれーさんによる

note.com

を挙げておきます。制度に対するイメージが湧きやすいですし、(記事中で言及されている)各科目がどのような感じなのか雰囲気をつかめると思います(おすすめ!)。

アドバンスト理科について注意するべきこととして、以下があります :

  1. アドバンスト理科は開講されるセメスターが(だいたい)決まっている
    2022年度は情報α、先進科学Ⅰα、先進科学ⅢαがSセメスターに、 構造化学α、先進科学Ⅱα、先進科学ⅣαがAセメスターに開講されていました。 先進科学が2つずつS, Aセメスターに散っていて、各講義は年1回しか開講されていないことに注意しましょう。
    私はこれに気づかず、1敗しました……( ;꒳​; )。

  2. アドバンスト理科にはキャップ制対象のものとそうでないものがある
    基礎科目(情報α、構造化学α)はキャップ制の対象になります。例えば「情報」を「情報α」に置き換えたからと言ってセメスター内で取得できる単位数を節約することはできません*4。一方で、総合科目(先進科学Ⅰ ~ Ⅳα)はキャップ制の対象外、すなわち、取得可能単位数を圧迫することなく受講できます *5
    私はこのあたりを理解していなくて2敗しました……( ;꒳​; )。

情報α (1S)

講義内容

講義題目は「深層学習とその数理」です。
今最も時流に乗って栄えている内容だと思います。 講義は3つのパートからなっていて、それぞれ

  1. 入門パート : 深層学習に入門しちゃうしちゃう💞

  2. 実践パート : 具体的なNNの論文を読もう!実装しよう!*6

  3. 理論パート : NNの強さを確かめちゃう💫🦀 *7

といったイメージです。

入門パートでは、「深層学習って実際何をやっているんだろう₍₍ ο꒰ ⸝⸝˃ ᵕ ˂⸝⸝ ꒱ο ₎₎」という問いに答えるべく、ニューラルネットを構成し、学習アルゴリズムを1から *8 書きます。一つ一つの数学的処理を意識しながら書くので、ブラックボックス感が若干和らぎました(← いい話!)。
代表的な課題は画像分類システムの精度向上でした。パラメータをいじいじしたり、ネットワーク自体を書き換えたり、色々やっていたら80%ちょっと超えるくらいまでは行った気がしますが、それ以上は全然いけませんでした(かなしいたけ!だ!!( ;꒳​; ))。
世界記録ってすごいんだにゃあ……となった記憶があります。人類には勝てそうにありません。

実践パートでは、具体的なタスクに特化したネットワークを調べ、実装しました。
私は音声合成をテーマに選んだのですが、 「論文の内容を全然理解できない、やっと理解して実装したと思ったら全然精度が上がらない(悲泣)」という有様でした。
ひたすら生成されるホワイトノイズによって、過剰リラックスを得ることには成功しましたが、成果を得ることはできませんでした。悲しい。

理論パートでは、深層学習がどうして「強い」のかを数理的に正当化しようという試みを行いました。このパートが一番難しかったと同時に面白かったです。
受講から1年以上経過したから言えることですが、「理論パートの定理を証明するためにFACTとして認めた知見が、日々の勉強の中で示されるべき定理として出てきて、それを実際に証明できる」 *9 みたいなことがここ数ヶ月の間に起きていて、すごくいい話だなあと思っています。

恐らくアドバンスト理科は数年レベルの壮大な伏線になりうるので、多少背伸びしてでも受けると良い経験になると思います(受けよう!)。

課題や成績評価について

成績は入門パート、実践パートで授業ごとに出る *10 課題と、実践プロジェクト、期末レポートあたりをもとにして評価されているはずです。

実践プロジェクトは、深層学習を用いて何らか「有益」 *11 なシステムを作ろう!みたいな気持ちの課題です。実践パート同様、音声合成をタスクに設定しましたが、惨敗しました……( ;꒳​; )(ホワイトノイズ再来 → くるしいたけです)。かなり時間がかかるので計画的にやろうやろう!。

期末レポートは理論の検証と定理の証明です。頑張ればそれっぽいものがでてくるなーという感じでした。

実践プロジェクトでぎったんぎったんにされましたが、成績はそこまで悪くなかった *12 はずなので、気を張らずに興味のあるネットワークやタスクを設定すると楽しいんじゃないかなあと思います(でも音声関係の課題はしんどいかも〜)。

構造化学α (1A)

講義内容

講義題目は「化学で切り開く宇宙の科学」です。

この講義の問題意識を知るには、公式ウェブサイトにある授業紹介のpdfを読むのが一番良いと思います。 「希薄で冷たい空間では、私達が知っている化学の反応が本当にその通り進むのか怪しい」という視点自体が非常に新鮮だった記憶があります( ˙ㅿ˙ )ホヘー。 私が面白いと思った部分は、

  1. 希薄で冷たい空間で進む反応を考えていたら、聞いたこともない過程が飛び出してくる
  2. 実験手法

の2つに大きくまとめられそうです。

前者については咀嚼しきれていないところがあまりにも多い(半年経ったのに!)ので特別多くは語れません。物理や化学に詳しくない私には、こんな視点が広がっているんだなぁと、逆バンジーの頂上で一瞬だけ遠くの景色を見た感覚がしました。いつか一歩一歩登って同じ景色 *13 を見てみたいものです。

講義ではたくさんの実験手法が紹介されるのですが、そのうちのいくつか *14 が特に印象に残っています。言葉にすると「そんな方法があるのかーすごいなーΣ(゜゜)」となってしまいますが、何をやっているんだろう?という疑問段階から、あ!なるほどー!という気持ち理解段階 *15 への移行は名状しがたい感覚になります *16

課題や成績評価について

課題は期末レポート一本だけでした。異常積分計算・4ページに渡る部分積分・大量の計算ミスをした記憶がありますが、おそらくどうにかなると思います。 レポートを提出した人であって酷い成績が来たみたいな話は聞かない *17 ので、のびのびやればいいと思います。いや、一切責任は持てないのですが……。

先進科学Ⅱα (1A)

講義内容

講義題目は「生命進化概論」です。

生命がどのように進化していったのかをシミュレーションを用いて探っていこうという試みです。 授業は演習の回と講義の回があり、講義が2, 3回、あとはすべて演習の回だった気がします。各回のイメージは以下の様な感じです。

  • 演習の回 : 前半に進化に関するミニレクチャーがあり、後半は前半に説明された進化を実際にパソコン上でシミュレーションする

  • 講義の回 : 特定のテーマについて先生が講義する

シミュレーションは予め用意されたプログラムのパラメータを調整して、進化の挙動を確認していくというものですが、これが本当に面白かったです。 生物に見立てた変数に簡単な規則を与えただけで、多様な時間発展を魅せるのは、想像していましたがそれでも感嘆!感嘆!Σ(´⊙ω⊙`)でした。パラメータの調整によって生物種の個体数の変化の仕方が劇的に変わったり、パラメータが特定の領域にあるときだけ生物種の平均生存期間が激減したりと面白い現象が多いです。

この講義をきっかけに力学系というジャンルに興味を持ち始めました。

課題や成績評価について

課題は、講義のたびにレポートを作成する(演習ならシミュレーションの結果の報告, 講義なら提示された質問への解答)ことでした。 シミュレーションはやろうと思えばいくらでも時間をかけられるので、課題の負担についてはあまり言及できないのですが、発展的なことを考えなければそれほど時間はかからなそうだとも思います。

この科目も成績評価が厳しめだという話は聞かない *18 です。私は、深掘りしたいシミュレーションは深掘りして、その他は課題の指示にちょっと発展を加えるといった感じ受けていました*19

この記事はここまでです 。読んでくださりありがとうございました💞。

今日はとっても楽しかったね。明日は、もーっと楽しくなるよ!
ねるにゃー。


おまけ:記事を書いた動機

10月初旬、Twitterで「先進科学Ⅱαについて聞きたいことが……」というDMを頂きました。 私が思っているよりもずっと、アドバンスト理科に関しては口コミが出回っていないんだなぁと思い、 受講から1年経った存在が書いてもまだ需要がある気がしたので、この記事の形でまとめました。 人の、履修の参考になったらいいな。


*1:起床の挨拶です。私は毎瞬毎瞬起床を実行することによって意識を保っています。💞の存在も本質的です。

*2:ニュアンスとしては、「再現性のない思いつきなどをベースに」が近いです。

*3:単に、いくつかの授業の集まりです

*4:つまり、情報αを受講してもSセメスターで取得できる単位の上限は30単位のままです。

*5:例えば、先進科学Ⅱαを含めて32単位分Aセメスターで履修できる、と言った具合です。

*6:公式としては最終課題が実践パート扱いなのかもしれませんが、私は、各タスクに特化したネットワークを調べて実装するあたりから既に実践的だと感じたので、そのような体でいきます。

*7:確かに!🦀ということです。

*8:なにをもって1とするか、そもそもこの場合の1は何を意味しているのかについて検討する必要があります

*9:例えば普遍近似定理の証明に用いるRieszの表現定理、などが該当します。

*10:毎回出るわけではなかった(たぶん)

*11:これは、受講者がその有益さの軸を設定しても良さそうだったと思います。

*12:たぶん90点以上はあったはず ← ちゃんと確認すべきだ ← はい……。

*13:それはもはや違う景色なんじゃないですか??!?!?

*14:具体的には合流ビーム法と「レーザーを二段階にわけて目的の物質だけをイオン化させる手法」です

*15:原理を理解しているとは限らない

*16:一般的な話をしていて、アドバンスト理科に肉薄できていない可能性があります

*17:ひょっとして、交友関係の狭さ?????!?!?

*18:交流??!???!?

*19:結局毎回そこそこ時間をかけていたような気もします。